とうほく脊椎内視鏡研究会(Tohoku Society for Endoscopic Spine Surgery: TESS)は、脊椎脊髄病学の中でも特に、内視鏡を使用しながら頚椎から腰椎まで除圧術や、 内視鏡下腰椎椎体間固定術などを行う最小侵襲術式を専門とする脊椎外科医が、一堂に会する研究会です。 最新内視鏡機器や、映像配信サービス、IT機器を利用しながら脊椎内視鏡手術が、除圧術のスタンダードになるための普及活動と研究を目的としております。
東北地区は関東・関西の都市部と異なり、山地が多く面積も広いために、患者・家族・医療従事者ともに、移動には多大な負担を強いられます。 また、2019年から流行した新型コロナウイルスのために、1年以上、多くの患者さんやご家族は病院内で面会制限があり、我慢をしいられてきました。 そして我々、脊椎外科医も最新の技術習得や知識の更新のための学習機会が、大幅に制限されています。しかし4Kや8K内視鏡カメラや 最新内視鏡スコープをはじめとする最新の医療機器やIT機器は、年々大幅に進歩しています。その勉強会や研究会の多くは人口の多い都市部で開催されるために、 最新機器や情報にアクセスしやすい地区と、アクセスしにくい地区との情報格差が拡大する恐れがあります。 本研究会では、コロナ禍でも「とうほく」の脊椎外科医が研鑽できるように、最新の映像配信サービス、IT機器を、積極的に活用することで、上記課題を解決していきます。
3.11の震災から10年目の節目を迎えました。震災や新しい感染症が流行する状況では、様々な理由によって、 不可逆的な状態まで重症化する脊椎変性疾患の患者を、我々は診療してきました。コロナ禍でも、脊椎外科医は、 合併症が少ない脊椎内視鏡手術を安全に習得し普及させることで、手術をためらう患者さんの力になれる可能性があります。
第1回のテーマを “脊椎内視鏡手術の最前線と普及” としました。「とうほく」地区で異なる分野の脊椎内視鏡手術を安全に導入し進化させ、普及活動を、最前線でおこなわれている先生にご講演いただきます。
今後、年1回の研究会と、年数回のseminarやワークショプを開催できればと思っております。皆様方のご参加を心よりお待ちしております。 皆様とともに、未来のスタンダード術式となるべく脊椎内視鏡手術の普及活動をしていきたいと願っております。